人気ブログランキング | 話題のタグを見る

デッサンについてのコラム その36

随分暖かい2月スタートですね。

さて、本日のお題は「デッサンは長距離走」というお話。

スケッチやクロッキーといった数分で描くタイプの絵は短距離走ですが

ある程度時間をかけて、しっかり描写していくデッサンにおいては長距離走

と捉えていくと良いと思います。

教室でも良くこの話をしますが、ここで特に大事なことはペース配分です。

長距離を走るとして、スタートと同時に猛ダッシュをしてしまったら

すぐにバテてしまい、トータルではよいタイムが出なくなってしまいます。

デッサンでも同じようにスタートではあまり飛ばしたりせず、じっくりと形を

観察して、土台となる構図や輪郭などを作っていったほうが、後々ペースをあげて

最後はラストスパートをかけたりすることも出来ます。

では初心者と経験者との違いを説明してみましょう。

初心者の場合はスタート同時に濃い鉛筆の線を使って形を決めてしまいます。

そしてその時に手はあまり大きく動かすことはなくゆっくり動作しています。

経験者の場合は、スタートと同時にひっきりなしに手を動かす動作をするはずです。

手は良く動かしていますが、鉛筆の線は一向に見えてきません。

後ろから見てると空振り(素振り)をしているな感じに見えるので一見

この人何やってるんだろう??といった風に見えるはずです。

初心者の描き方は、スタート同時に猛ダッシュをしていて

経験者の方は逆にゆっくり歩いてスタートしているようなものです。

すでにここで描ける描けないが決まってしまいます。

デッサンが上手に描けないとお悩みの人は序盤ほどゆっくり描いて

後半調子が出てきた頃にペースをあげていくようにするだけで

良くなるかもしれません。

教室で描く時は、一緒によーいドンで描き始めるので

自分のペースが速いのか遅いのかといったことや、上手な人がどういう手の動き

で描いているのかといったことを見比べながら出来るので上達が早いわけです。

ちょっと注意したいのは、手の動きがそれっぽいのに内容が良くない

ということも良くあることなので、手を動かせばいいんだなっていう単純な

話でもないのです。

ここまでくると、もう技法書などでは到底説明できない微妙な加減なんだという

ことがお分かりいただけるでしょうか?

デッサンは動作に技量の違いが如実に現れるので、別に絵を見なくても

動作と画材を見ればその人がどれくらい描けるのかは大体わかってしまうものです。

デッサンというマラソンみたいな地道な世界を一緒に走りませんか?

実際はマラソンではないので、体力はさほど使いませんので誰でも出来ます。

エントリーはこちら↓



by ekodaohashiya | 2019-02-04 10:49 | 絵のはなし